原発事故は2011年3月11日に発生しました。
しかしながら、放射性廃棄物の根本的な処理技術は、今現在においても確立されておらず、原発からは毎日毎日大量の汚染水が排出され続けている現状です。
現在の除染はゼオライトによる吸着が主流ですが、放射性物質であるセシウムが電位的にゼオライトに吸着しますので、吸着材であるゼオライト自体も高濃度の放射性廃棄物になってしまいます。少なくとも、国内にさえ放射性廃棄物の廃棄場所がない現状を考えると、ゼオライトによる吸着手法を永年に渡って行うことは、毎日大量の廃棄物が発生し続けますので、現実問題として不可能であると考えます。
私たちは京都大学の芹澤昭示名誉教授をリーダーとし、当社のマイクロナノバブル技術を使って放射能に汚染された土壌や汚染水からからセシウムを取り除くプロジェクトを原発事故直後にスタートしました。この新たな手法は、汚染水にマイクロバブルとナノバブルを同時に供給することで、通常は沈殿するセシウム等の放射性物質を含む土の微細粒子を気泡に吸着させて連続的に回収出来ます。つまり、この手法はゼオライト等の吸着剤を使用しないことから、汚染物以外の一切の放射性廃棄物が発生せず且つ効率的に回収出来ますので、この先数十年続くと言われる除染作業には不可欠な技術であると考えています。
本装置を実用化すれば、福島の原発から毎日排出されている日量400トンの汚染水も処理できますし、田や畑の土も処理後には元の場所に戻すことが可能になります。本技術を使用した実験機は既に完成し、現在実機製作の実現に向け、チーム一丸となって取り組んでいます。
プロジェクト参画者・企業
芹澤昭示 京都大学名誉教授・姫路エコテック株式会社・株式会社オーラテック
(株)オーラテック 江口 俊彦